1.自動車ボディ構造の進化とは?
最近の自動車は「乗員安全」「歩行者安全」「環境性能向上(軽量化)」を実現するため、大きく進化をしています。
事故の際にキャビンを保護するため、自動車全体で力を吸収する構造(ラーメン構造)になっています。
また、特殊鋼板(超高張力鋼板、アルミニュウム等)の使用により、ボディの強化と軽量化を図った構造になっております。
2.衝突安全性能試験
自動車メーカーは、衝突性能試験で高い評価を受けるよう、ボディ構造を進化させています。
国土交通省の外郭団体であるJNCAP(独立行政法人 自動車事故対策機構)による試験結果が、WEBサイトに公開されています。
また、2012年にアメリカで「スモールオフセット試験(*1)」を始めたIIHS(米道路安全保険協会)所長は
テストにより、車体設計をどうすれば乗員を保護するためになるかを調べるステップになる
とコメントしています。
このような衝突安全性能試験をふまえ、今後さらに自動車のボディ構造は進化していきます。
そして、自動車修理もそれに伴って進化していく必要があるのです。
- (*1 ) スモールオフセット試験とは?
従来の40%のオフセット衝突よりもさらに浅い25%、時速40マイル(約64km/h)でバリアに衝突させるもの。
フロントサイドフレームよりも外側にバリアが衝突するため、フロントサイドフレームでのエネルギー吸収が難しく、キャビンに要求される強度が40%の時に比べて大幅に高くなる。
このテストを始めたIIHS(米道路安全保険協会)によれば、毎年正面衝突事故で1万人以上が命を失っているが、前席の乗員が死亡または重症となった前面衝突の交通事故のうち、約4分の1が、スモールオフセット衝突に該当するという。
3.衝突安全ボディの構造とは?
進化に伴って、
フレームの分割化・複雑化がすすんでいます。
「衝突安全ボディ」は、衝撃が分散することで乗員の安全を守る構造になっています。
たとえ小さな衝撃だったとしても、
その衝撃が想定外の所にまで波及している可能性があるのです。
・事故と直接関係ない箇所に歪みが発生していることがわかる修理写真はこちら
4.使用素材の変化
自動車のボディに使用する素材は、上図の通り
普通鋼板から高張力鋼板、超高張力鋼板、アルミニウム合金、樹脂、CFRP(炭素繊維強化樹脂)を複合使用したものへと変化しています。
5.先進安全自動車(ASV)
先進安全自動車(ASV)の普及に伴って、自動車メーカー指定の修理方法、ボディアライメントの重要性が増しています。
先進安全自動車の修理後は、エーミング(衝突被害軽減ブレーキ, ふらつき注意喚起装置, 車線逸脱警報装置などが正しく作動するための校正作業)が必要な場合があります。
エーミングの前提条件
エーミングを実施するには、次の6項目が前提条件です。
- バンパー、フェンダーなど外板部品各部が正しく修理されているか。
- ボディアライメントは正確か。
- ホイールアライメントは正しいか。
- 車両の車高・地上高・タイヤサイズ(異常磨耗・空気圧)などが適正か。
- ボディ修理に際して各部のボディ寸法が正しく修理されているか。
- ガラス脱着・交換後のボディ寸法は正確か。
このような構造の自動車の修理をするためには、技術力はもちろん、
専用の設備(ジグ修正機など)・機器(三次元計測器・スポット溶接機など)が必要です。
当社では、これに対応する技術と設備・機器を整えており、自動車メーカー基準にのっとた最新の工法で修理をしております。
もし従来工法で修理をしたら?
従来工法による修理をすれば、見た目はきれいになりますが、ホディ修正は不完全なまま!
- 車がまっすぐ走行できない
- 変な音がする
…などの症状が現れます。
従来工法での修理をしていたお車で、万が一にも再び事故に遭われたら?
- 前回の事故の時より大きなダメージを受ける
- 先進安全自動車の場合は、誤作動を起こす
…などが考えられます。